滋賀に住み始めて自分の殻が剥がれ落ちた。そう語るのは、「しがトコ」立ち上げ編集長、亀口美穂(カメグチ・ミホ)さん。まるで、北海道みたいな景色。と滋賀の良さを語りまくり、今では滋賀出身の旦那様も美穂さんの滋賀愛には負けると言うほど。滋賀の良さに気付いたきっかけは何だったのでしょうか?
–移住したきっかけは?
私の場合は結婚がきっかけでした。それまでは大阪や東京で雑誌のライターやコピーライターなど「書く」仕事をしていました。20代後半は東京で働いていたんですが、30歳を過ぎて結婚を考え始め、地元の大阪に戻ってきて。その頃にお付き合いしていた方の実家が滋賀だったので、結婚して滋賀に住むことになりました。
(ライターとして初めて書いた関西ストリート雑誌『カジカジ』)
-住んだことのない土地に移住することへの不安はありませんでしたか?
正直、私自身、滋賀のイメージもほとんどなくて…。思い浮かぶのは「京都の隣」「琵琶湖」ぐらいだったんですが、なぜかあまり不安はなかったですね。大阪の友達には、「え?滋賀行くんや…。」と少し引いた目で見られていましたけど(笑)でも、不安がなかったのは、結婚という、幸せの絶頂にいたからでしょうか。
結婚する前から何回か遊びに行って、豊かな自然が身近にあることや、子どもが走り回れる公園がたくさんあったり、子育ての環境がいいことはわかっていました。
(琵琶湖で水遊びに夢中になるお子さんたち)
–住み始めていかがでしたか?最初の印象とは変わりましたか?
すごく好きになりましたね。今では滋賀出身の旦那よりも「滋賀愛」強いぐらいです。好きになったのは、夫婦で立ち上げたwebメディア『しがトコ』を始めた影響が大きいかなと思います。
2012年に移住してきましたが、その当時は今のように滋賀の情報が集まっていなかったんです。インターネットで調べてもなかなか出てこなくて。でも、街を歩けば雰囲気の良いカフェとか、いつ見ても表情が違うアート作品みたいな琵琶湖の風景があったりして。滋賀は本当に魅力的だな、と強く感じました。じゃあ、その情報を自分たちで発信したらいいかもしれない!と思ったのが、始めたきっかけでしたね。
(取材現場でのある日の様子)
-しがトコを運営していく中で見つけた滋賀の魅力って何ですか?
インスタグラムに投稿するタイトルや文章を考えたり、投稿する記事の取材、編集をしたり、仕事内容は多岐にわたります。その中で私が一番好きな場面が取材なんです。お話をお伺いしていると、滋賀の方の「豊かさ」を強く感じます。焦らず、着飾らずに、ありのままの自分でいる方が多いんですね。私は大阪で働いていたころは、自分を大きく見せようとしていました。せかせかして、前の人のかかとをよく踏んでいましたし(笑)
でも、滋賀に来て、着飾っていた自分が少しずつ剥がれ落ちてきて、だんだん等身大の自分でいられるようになってきた気がしています。ほかにも、都会で仕事をしていたときは、子どもを連れて取材に行くなんて考えらませんでしたが、「子連れで取材にいってもいいですか」と聞くと「全然ええよ~」とあたたかく迎えてくれる滋賀の方の優しさに感動しています!
(2016年に開催した写真イベント「等身大の滋賀展」)
-やさしさに触れるとほっとしますよね。さて、等身大になった美穂さんが、新たな挑戦を決意したと耳にしました。
昔の自分や、同じ悩みを持っている人に「大丈夫」と安心してもらいたい。その想いで『果てのメディア』というサイトを立ち上げました。
東京で働いていた頃は、仕事がかなりハードでした。ほぼ毎日終電がなくなり、タクシーで帰っていたり、深夜2時から打ち合わせがあったり。その頃に助けられたのが、都会の中にあるちょっとした自然の風景でした。高層ビルの隙間に輝く満月や、雑踏の中で咲く花の姿。仕事ではものすごい量の情報を”つくる”日々だったので、つくられていない自然のままの姿を見ていると、現実に追い詰められていた自分が、ふと日常から離れたところに漂うような心地よさがして、本当に癒されていました。
まだ最近公開したばかりですが、「果て」を見つめている人を取材して、若い方や当時悩んでいた自分が、読んで安心できるような記事を書いていこうと思っています。
-「大丈夫」不確実な社会を生きていく若者にとって、安心させてくれる言葉です。公開を楽しみにしています!最後になりますが、これから移住を検討している方に向けて応援のメッセージをください。
滋賀の方は本当に優しいし、私が住んでいる守山は京都まで30分で行けるし、スーパーも近くにあり、生活環境がかなり良いです。それに加えて自然も豊かで美しい。守山駅から車で10分ぐらいのところに「すこやか通り」という道があるんですが、琵琶湖に近づけば近づくほど建物がなくなり、一面畑になる一本道があって。その風景がまるで北海道みたいに雄大で大好きなんです。
以前は完全にインドアだったんですが、滋賀に住み始めてアウトドアが大好きになりました。高島のキャンプ場は琵琶湖沿いにあり、夜の星空が神秘的だったり、まるで絵のようなピンク色の夕焼け空が広がっていたり本当に気持ちいい。
東西南北で気候も違うし、日帰りでもいろんな楽しみ方ができることが、滋賀の良さだと思います。駐車場も広いですし。あと、紅葉シーズンだと、京都は混んでますが、滋賀だと人があまりいなくて写真も撮りやすかったり(笑)滋賀は本当にいいところだらけですよ!
-あとがき
なんでもない自然や人の優しさに触れたことで滋賀を好きになった美穂さん。滋賀への愛が溢れているからこそ、しがトコはたくさんの方に見て頂いているんだと感じました。取材時にはお子さんも同行して頂き、楽しい取材となりました!美穂さんありがとうございました!