移住する前の「滋賀」は、どんなイメージでしたか?
「琵琶湖」それ以外なかったです(笑)
大学進学で京都に住みはじめて、サークルの合宿で初めて滋賀に来ました。その頃は移住するなんて考えたこともなくて、東京とかで働くのかな~?ってぼんやり考えていました。大学入学して最初の2年間は 田舎から出てきて、憧れだった都会での暮らしが楽しくて楽しくて。アパレルでバイトしてみたり、ネイルやマツエクのサロンに通いつめたりしてました(笑)
今の愛可さんはとってもナチュラルな感じなので、そんなときがあったのは意外です。
そうですよね。大学3年生になったときに、都会生活に疲れてきて、”息苦しいな”と感じるようになりました。それで、原点に戻り、自分にとって何が大切なんだろうと考えたときに、やっぱり女の子だし、「きれいでいたい」と思ったんですね。今までは外見のきれいさを求めていたけど、内面からきれいになりたいと思って、「食」を大事にしたいなと思うようになりました。
「きれいでいたい」が「食」の道に入ったきっかけだったんですか?
そうなんですよね。料理をするようになってから 食べ物がどうやって作られているか知りたいなと思って、大学の先生に相談したところ、たまたま大学が畑を持っていることを教えていただき、そこで 実際に無農薬の野菜を育てながら農業や食育について学びました。また、ちょうどその頃、京都の料理家さんと出会い、アシスタントをさせていただくことになりました。その方は、私にとって 人生のお姉ちゃんみたいな方で、とても優しくて、丁寧で、明るくて、心から尊敬する人でした。でも、私が大学を卒業する頃に、その方がドイツに拠点を移されることになり、この人以上についていきたいと思う人はいないだろうなと思ったので、そのタイミングで独立することを決めました。
初めは、京都に拠点を構えていたのですが、スーパーで野菜を買うことに違和感を持ち始めました。
生産者の想いを受け継いで私が料理して、その想いをお客さんに伝え、食べてもらうっていう”顔が見える関係性”が 好きで。もっと畑の近くで料理がしたいなぁと思っていた時に、ちょうどオーナーの周防さんから連絡を頂きました。
それまで周防さんとお会いになったことはなかったんですよね?
そうなんです。初めてInstagramでメッセージをいただいたその週末に、すぐ 周防さんに会いに行きました。
VOIDのキッチンをお借りすることが決まり、「papa food design」を開業しました。いまは 、毎週木金土日、「papa’s lunch」としてランチやカフェの提供を行なっています。
そのほかに、フードケータリングや実家の福岡のイチゴ農家の仕事をしており、毎月月末は 福岡にいるため、滋賀でのお仕事はお休みさせていただいています。
イチゴ農家さんでもあるんですね!お店ではどんな料理を作っているんですか?
採れたての季節の食材をたくさん使って、シンプルな料理を提供しています。私の料理は全然特別なものではなくて、本当にシンプルなもの。その理由は2つあって、素材そのものの美味しさを味わってほしいから。もう1つは、「食」で多くの人に幸せや温かい空間を提供したいと思っているからなんです。
ほら、美味しい物を食べると、誰でも幸せになるじゃないですか。そこには男女も年齢も関係ないと思っていて。全人類に共通している、と言うと大げさかもしれませんが(笑)。
だからこそ、食は人に笑顔を生むし、その空間を温かく、優しい場所にする力を持っているなと思います。そんな想いで料理を作っています。
食を通して笑顔が生まれるって素敵ですね~!
お店をやりはじめて気づいた”滋賀の良さ”ってありますか?
滋賀に来るまでは、こんな幸せな毎日が送れるなんて想像もしていなくて、人とのご縁がつながって今があるんだなと実感しています。毎週農家さんのお手伝いに行っていて、今ではその農家さんのおばあちゃんの孫枠に入っています(笑) 終わった後、一緒に飲むコーヒーが至福の時間ですね~。ほかにも、四季の移り変わりが感じられるのがすごく好きで、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪。なんでもない幸せがあるのは田舎ならではなのかなと思っています。たまに、自然に感動して、涙が出てきちゃう時もあったりします。
滋賀の自然の豊かさはいいですよね。いろんな表情の琵琶湖、ついつい眺めちゃいます。最後になりますが、滋賀に住もうかな、と迷われている方へメッセージをお願いします!
滋賀に来て正直、都会暮らしとはギャップもありました。車がないと移動しにくいし、お店も少ないし。
どこに飲みに行こう?じゃなくて、ホームパーティーしよう!
どこのモーニング食べに行こう?じゃなくて、あそこの農家さんのお野菜を使ってポタージュスープを作ろう!って。
今はそのギャップを楽しんでます。店も物も足りないけど、足りないからこそ 暮らしの楽しさに気づけていて。大きな幸せはないかもしれないけど、本当の意味での「幸せ」を見つけれる気がします。滋賀はほんとに「ちょうどいい」暮らしができるなぁと思います。
「暮らしてみても滋賀=琵琶湖だった」
毎日違う表情を見せてくれる琵琶湖へ仕事終わりに寄って、ぼーっとするのが 何よりのリフレッシュだそうです。
住み始めて、じわじわ来る良さがあるんですよね。お話を聞いていると、なんとも幸せな気分になって、滋賀っていいなぁ、と感じました。
また今度、ランチを食べに行きますね!愛可さん、ありがとうございました!
★宮崎愛可さんの普段の様子が知りたい方はこちらをチェック!