しがレポ!彦根コース 仕事体験編は彦根(とその近辺)の会社を訪問し、仕事を感じる時間。 最初の訪問先は、彦根市のお隣、多賀町にある、シャフトに特化した鋳造をしている株式会社ミヤジマさん。
会社向かい外観を見ると、まず目に入るのは、なにやら不思議なキャラクター。お腹にはBENBOと書かれている。後ほど聞いた話では、このキャラクターはBENBO君と言うらしい。BENBOとは、水道管のバルブを構成する機器の一つで、弁棒のこと。元々この弁棒を作っていたとのことで納得。何かのアニメで見たことがありそうだが、そこは気にしないでおこう。
こちらの会社に訪問し、宮嶋専務より、会社の概要等のお話を伺った。概要は詳細は会社のサイトを見ていただくのが良いでしょう。滋賀の中でも大きな売り上げを上げている会社さんですが、サイトでは時折手書き?な絵が描かれたり、とってもゆるさを感じる。そして、若い人が多く、活気が見られる会社です。
シャフトを鋳造するってどうやってやるんだろう?、宮嶋専務より時よりネタが交じるお話を伺ったあと、工場見学へと。
工場の中では、熱した棒を叩く作用が続いている。黒い部分は熱くなさそうな気がするが、これでも500度はあるとのこと。危険なので注意深く近寄り、製造行程を見て回る。
見学していると、職場の皆さんに気持ちよく挨拶していただき、心地良い会社だなぁというのが伝わってくる。
と言いつつ、工場見学の中で学んだシャフト鋳造の流れもまとめておこう。
シャフトの製造は、原料の棒(1)を熱し(2)、型に入れ(3)、ハンマーで上から叩く(4)ことで、シャフトに成形される(5)、必要に応じて、熱処理、切削加工と工程が続く。と簡単に言うが、シャフトである以上軸がズレてはならない訳で、軸をずらさないで鋳造するのは、とても技術がいることだ。
なお、下図では一般的なハンマーの形で描いているが、実際はもっと大きく、重く叩くと大きな振動がある。
このシャフト作りは、成形の過程でとても大きな力で叩くわけで、音や振動はとても大きい。そのため会社として振動を抑える工夫をすると共に、工場の周りの土地を取得し、農作物を作ったりと、環境や周りの住民とも関係を作っている地域に根ざしている会社です。
実は最後になってしまったが、会社に入って最初に目に入ったのは副砲が飾ってあることでした。圧巻です。こういうのも作っていたのかと思っていたら、払い下げ品を入手したとのこと。ちょっとがっかりしつつ、こういうのが好きな人にはたまらないかもしれない。
シャフトの鋳造という、これまで関連することが無かった仕事の一部を見せていただいた株式会社ミヤジマさんを後にし、次の訪問先へ。
2つめの訪問先は、彦根市内にあるISCARE(アイズケア)さん。民家を改修した形の地域密着型の福祉施設の運営をしているが、最近蔵を改装したカフェをオープンしたとのこと。そのカフェ Earth care cafeへとお邪魔する。
Earth care cafeは、ファラフェルサンド(イスラエル発祥のひよこ豆ヘルシーな中東風コロッケのこと)を売りにしているが、そもそも野菜を作りそれをお店で消費するという循環を考えられている。なぜこの蔵が喫茶として生まれてきたのか等々、興味深いお話を伺った。残念ながら、ファラフェルサンドは頂いていない。彦根駅徒歩7分、手軽に寄れる場所です。
カフェの1階は注文を受けたり、テイクアウトができるようになっている。1階では各種グッズが売られ、2階がカフェスペース。
カフェスペースではコーラの黒、白や酵素ジュース等健康に良さそうな飲み物が提供されており、写真では左から、コーラ(白)、酵素ジュースの梅、何か(失念!)、キウィとなっている。
スッキリしたドリンクを味わいながら、17施設を運営し、最近、このカフェをオープンしたことや今後障碍者用施設を立ち上げていくこと等、来年入社予定の人を交え話を伺っていく。
個人的に印象に残った話としては、なぜこの会社に決めたかということ。何カ所かの介護施設の中でインターンやアルバイトとして働いている中で、ISCAREさんの利用者との関わり方に共感して入社を決めたということだった。この辺りは、自分も福祉施設に関わったことがあるので共感できるポイントだった。
他にもこの会社で働くことは、地球管理人になることだ。ということで名刺に「地球管理人」と入れたり、共感できることが多い話を伺うことができた。
滋賀県はSDGsをいち早く取り入れた県。滋賀県では当たり前のことだって聞いていたが、そういうことを身近に聞けると嬉しくなる。
滋賀で働くということについて、2社に訪問し話を伺った。お金も必要だが、大事にしたいもののために働くという選択肢を大事にして、働いていくことの大事さを改めて感じた一日となった。
しがレポ!彦根コース 地域体験編は彦根駅前で待ち合わせ。
残念ながら雨が降っているが、この雨自体を楽しむことにしましょう。
彦根と言えば、彦根城とひこにゃん。あちらこちらにひこにゃんがいるようだ。
そして、駅前には井伊直政公の像。彦根藩初代藩主とのことだが、まだよくわかってない。
駅前を楽しみながら、今回のコーディネーターと合流し、最初の目的地、彦根城へ向かう。
なお、彦根城の入り口では、こんなひこにゃんがお出迎えしてくれた。
そんなキュートなひこにゃんを横目に入場券を入手して入場していくと、出てくるのは急な階段。まぁ、お城なので急な階段が出てくるのはしょうが無いところ。
この階段、それぞれの段の広さが微妙で登りづらい。ガイドさん曰く、これは攻め込まれたときに登りづらくしているからだそうだ。まぁ今の時代登りづらくてもそれほど困らない。ということで納得しつつ登っていく。
そうやって急な階段を登ってくと、途中に鐘があった。ガイドさんから話を伺っていると、彦根の人は毎朝この鐘の音で起きているとのこと。この高さから鳴らす鐘はどこまで響きわたるのだろうか?日本の音風景百選の一つと言うこともあり、感慨深い気持ちになる。なお、日本の音風景百選というものがあることは、ここで初めて知った。他の99箇所にはどんなところがあるのだろうか。
寄り道しつつ上まで登ると、どや顔のひこにゃんがお出迎えしてくれる。
どこをどう見ても、どや顔にしか見えない。そんな小憎らしいどや顔です。
こうやって写真を撮っていると、ここから見るお城は横だよーと教えてもらった。なんと!
この天守は、写真が撮りやすいからだけど横なので、正面はあっちだよと。確かに上に乗っているシャチホコの向きが違う。ということで、正面から一枚。確かに、正面からの方が格好良いぞ。
そんな外観ばかり見ててもね。ということで、天守に入りましょう。
天守の中に入ると、中も急だ。イタタ、イタタと階段にスネをぶつけながら登っていくと、良い風景が見えるねー。
荒神山等がよく見えている。良い気持ちになるね~。今度は天気が良いときに来たいものだ。
そして、彦根城の天守に登った後は、「夢京橋キャッスルロード(城下町)」と「四番町スクエア」へ。
彦根の観光コース周りですね。そして、どこにでもいるひこにゃん。
今回、観光コースを巡ることにほとんど興味が無かったので、淡々と歩いて行ったが、観光目的の時には興味深く見ていきたい。とはいえ、至るところに近江牛のお店があり、若干心が惹かれていたこともある。
そんな気持ちで、ランチ場所を探すが、やっぱり近江の国のものを食べたいと要望する。
そうしたら、彦根銀座商店街へ連れて行ってもらった。どんなお店だろう?
と歩いていると、いきなりここだと教えてもらった目的地は「をかべ」さん。彦根ちゃんぽんの発祥のお店ということで、彦根の土地の味を頂きましょう。
彦根ちゃんぽんを食べていると、野菜の味をしっかり感じます。
普段自分が食べているちゃんぽんは白濁スープの麺だけど、こちらのちゃんぽんはラーメンの麺に、しっかり野菜の味のする醤油味のちゃんぽん。長崎ちゃんぽんにインスパイアされて作ったとのことだけど、この味が受け入れられたことで、近江ちゃんぽんとしての拡がりが出ているんだろう。この地の味ということで、しっかり堪能させていただきました。
ランチ後は、足軽屋敷群へ。
余談であるが、向かう途中に、話している言葉が「あしかがやしき」「あしかがやしき」と聞こえていたため、足利屋敷?アシカガってなんだ?どんな屋敷だろう?と思っていたが、現地を訪れてみて、「足軽屋敷」ということがわかり、あ~、足軽の住んでいたお屋敷ね。ということで、気持ちが落ち着いた。
足軽屋敷群の「辻番所」のある建物では、足軽屋敷についての説明をしてくださっている。
足軽屋敷群は、彦根城が築城されたときに、足軽(最前線で戦う武士達)の住居として作られた官舎群。通常一棟に2~3世帯という多世帯型が多い中、一棟一世帯で建てられているとのことで珍しい形だったらしい。先頭を切って戦うからこそ、大事にされていたのだろう。
ちなみに、辻番所は街中に不審な人が入り込んでいないか確認するための防御の要。この街には他にも侵入を防ぐ仕組みがつくられていて、その仕組みを伺うとワクワクしてくる。こういう話を伺うのはとても面白い。
足軽屋敷をガイドしてくれたガイドの方は、NPO 善利組まちづくりネットを立ち上げ、残っている足軽屋敷跡を活かし、この地域特有の歴史を活かしたまちづくりを進めていく組織として活動している。この辻番所の前には、善利組R12という手仕事雑貨の小さなお店の集合やサロンを作られたり、足軽屋敷を有効活用する職人さん等の誘致をしたり、観光スポットとしての力を入れているようだ。
足軽屋敷の一画には、再興湖東焼の一志郎窯。
他にもこんなキュートな目で誘ってくれるお店も。滋賀県初のローチョコレート専門店 ハレトケトさん。
足軽屋敷群は、昔ながらの面影を残しつつ、新しいものを取り入れようとしている場所でした。
こういう取り組みを聞いていると、何かできることは無いだろうか?と考えてしまう。一緒に関われることがあると良いな。ちょっと考えてみよう。
実はこの体験を通して、何人かの方に、彦根の特長はなんですか?と問うていました。
それは、彦根城へ行って、キャッスルロードへ行って、観光コースだなぁという印象しか持てず、彦根という街が見えてこなかったからなんだけれど、最後に足軽屋敷に行ったことで、ようやく彦根という街をおぼろげながら見えてきた気がする。
彦根の特徴はお城である。何度となく言われてきたけど、それがやっと腑に落ちてきた。
彦根という街は城の築城を契機に作られた街であり、お城を守るために作られた街である。なので、お城がメインであり、そのお城に関わる人が住んでいた街。そんな武士の街も、廃藩で変わってきたが、形はそのまま残っている。ということで、彦根はお城ということに納得して締めくくった一日でした。