しがレポ!米原コースに参加!
米原コースでの待ち合わせは、JR 東海道本線 近江長岡駅。
待ち合わせに合流し、どこに向かうのかな?と車に乗り込むと、
「ここから車で30分ほどの米原市の北の方に向かいます。」と。
はて、どこに向かうのだろう?という気持ちになる。
そんなわけで車に乗っていると、米原ってけっこう広いなぁと気づいてくる。
米原市というと、新幹線があって、びわ湖が隣接していてというイメージ。山が近いというイメージが無かった。
ちなみに、後で調べてみたら、シャチホコの様な形をしていることに気づいた。
こんなに長い市だったのか…。湖西、湖北方面は、平成の大合併で大きな市ができているんですね。
まぁ、そんな不勉強さもどっかの棚に上げて、車で山間部を走っていくと、グランスノー奥伊吹の看板が見えてきた。
滋賀に、スキー場があるのか?と驚いていたら、どうやら西日本最大とのこと。
滋賀に居ると、手軽にスキー/スノボができるらしい。ちょっと嬉しい気持ちとなる。
そんな山間部を走って行き、最初の訪問地、甲津原へ到着。「スキーといわなの里」らしい。
のどかや~。
青い空の晴れ渡る天気ということもあり、とってものんびりした気持ちになるなか、まずは、甲津原の中にある、宿泊施設の見学です。
最近古民家を改装してリニューアルしたとのこと。
色合いがはっきりしていて、とっても新しい印象を受けます。
どれどれと中を見学すると、これまたとっても新しい。
黒光りする梁と、真っ白な壁とのコントラストに裸足でいるほうが心地良い板張りフローリングの床面。
使い勝手の良さそうなキッチンに、手作りの椅子や棚等、外面は古民家という装いだけど、それを裏切る綺麗で新しい設備が整っている。
その中で特に目を引いたのは、曲がった梁!こういう曲がった梁がとてもおしゃれに見える。
こういう曲がった木材で梁を組むというのは、今はやらないだろうなぁと思いつつ、どんな木材でも有効に使っていくということに、とても新鮮さを感じる。
これらの梁の黒さは着色では無く、ただ磨いただけとのこと。なので、余り黒くない梁も存在する。しかし良い色だ。
色々なところに手がかかっていて、古民家が100年以上の年を経て、また息を吹き返しているように見える。ただ、個人的に残念なのは、便利になりすぎて、古民家で遊ぶという気持ちはちょっと薄いかも。古民家を遊ぶ場所だとすると、囲炉裏や暖炉が欲しくなり、ちょっとした不便さも欲しくなる。とはいえ、個人的な気持ちなので、ここは置いておく。
そんな宿泊施設を後にし、甲津原集落散策へ。
甲津原集落の中には、各家が使えるように水路が通っている。日常の洗い物はもちろん、冬には雪を流すといった利用をしている。山からの豊富な水があるからこその風景。水の豊かさにこころが踊る。
そして、この水の豊かな集落は能面との繋がりがあるとか。甲津原の天満神社には、室町時代に作られたと言われる能面があり、この能面に触れると雨が降るという話も残っている。色々と奥が深そうだ。
そんな甲津原の洗面橋には能面が飾られていた。こういう人目に付かないながらもちょっとしたアピールは、見つけるととても興味が湧くポイント。
集落を散策しながら、甲津原を象徴する場所、甲津原交流センターの前を通る。この土地の奥様方が作る料理等を食べさせていただける場所とのことだが、オープンは土日祝のみ。平日に伺った今日は外から眺めるだけ。ちょうど栃の実の収穫をしたばっかりということで、これから栃餅等が出てくるのかな?また時間を作って訪れたくなる場所。
この交流センターの前には栃の木があり、その実が収穫されたばかりだよー。と教えてもらい、落ちていた収穫され漏れた実をもらうと、栗みたいな実。初めて見たが、知らないと栗だと思ってしまう。せっかくもらったので、どうやって食べようかと考えけど、栃の実はアクがとても強く、あく抜きの手間がかかるといわれ。
ということで、この栃の実はあく抜きもすることは無く。オブジェとなります。残念。
そして、唐臼小屋を紹介していただく。この唐臼小屋は傍目にもとても手入れされていて、大きなししおどしの様な装置が動力となり、これで精米などを行っているとのこと。水車での精米は知っていたが、こういう仕組みのものもあることを知る。今も使われているとのことで、動いているところを見たい気持ちになるところだ。
そして、墓標の無い墓地。死して正体がわかることが無い様に墓標を立ててないという話を伺いながらも、そこに落ちてきた人々のことに想いをはせながら、こういう話を含め、この土地の逸話をもっと聞きたい気持ちが出てくる。なお、この墓地の横はイブキジャコウソウの斜面。雑草対策とはいえ、手間暇かけた空間は、とても良い気持ちにさせてくれる。しかし、墓標が無いとはいえ、ここはお墓。この土地の先祖代々の方々に挨拶をし、ゆっくりと後にする。
水が豊かでとても自然の溢れる甲津原を後にして、次の訪問地、曲谷集落へ向かう。しっかし、のどかや~。
曲谷到着最初に訪れたのは、空き家バンクに登録されている一軒の空き家の見学。
しっかり手入れされている古民家で、包んだばかりなのか真新しく見える茅葺きをトタンで包んだ屋根は雪国ならではの急な角度となっている。道路に面していて、屋根付き駐車スペース、蔵、畑付き。風通しも良く、住居としては悪くない。とはいえ移動には車が必要。市街地まで車で30分程度。コンビニやスーパーと言ったものは近くに無いので、定期的に出て行くといったことが必要になりそうだ。携帯電話はつながるのでネットワーク的にもどうにかなりそうだが、調べてみると、WiMAXはエリア外で、光ケーブルはまだまわりに敷設されていない様だ。この辺り悩みどころかも。
ちなみに、この辺りの移動手段はもちろん自動車。公共交通はまいちゃんバスや予約制乗り合いタクシーのまいちゃん号となる。まいちゃんバスは平日に3本だけということで、日中の移動にはまいちゃん号が主となるが、出発時間は30分単位、乗車するためには一時間以上前に予約しておくということが必要。時刻表を見るだけだと、いつでも乗れそうだが、そういう仕組みとなっているのは、仕方が無いところ。
これとは別にスクールバスも通っていて、近くの小・中学校に通う子どもの足となっている。
そんな曲谷は、石臼作りで有名だったとのこと。そういえば、石臼って見たことがあっても、どうやって作るか考えたことがない。確かにそういうのを作る職人っているよなぁ。それがこの集落で作られ、担いで山を越えて売っていた。とても想像できない仕事ですね。
その石臼、作る中で売り物にならなくなった失敗作等は、階段の材料になったり、塀にしたりと色々と使っていた様子。街中でよく探すと石臼を活用した階段などが見受けられる。これは一度散策してみると面白そうだ。
曲谷は、石田三成が関ヶ原から落ち延び炭焼き小屋にかくまわれた等、歴史的な逸話も多い。歴史ロマンを感じます。
この曲谷も甲津原にまけずのんびりした場所。川の中を歩いている亀もいる。ゆっくりとした時間を過ごすのに、とても良い気持ちでいられる。
最後はランチの伊吹そば。っとその前に、もう1回水を見たいなということで、与九郎滝へ。 この滝でイワナを釣っていた名人がいたとか、釣りをしたい気持ちが出てくるいい雰囲気の場所。
寄り道をして、伊吹山の麓の伊吹そば専門店「蕎麦の里 伊吹」さんで待望のランチ。 伊吹の地は、日本そば栽培の発祥地と言われている。その伊吹そば生産組合から提供されている伊吹そばを食べられるお店。そのお店の裏のそば畑には、そばの花が咲き誇っている。これは良い時期に来たぞ。
せっかくの発祥の地のおそばを食べられるおそば屋さん。シンプルな盛りそばだよねーって思いつつ、メニューを見ていて気になったのは、たまごかけごはんの方。「プレスファーム伊吹のコシヒカリにヤマハタ養鶏さんの薬草入り伊吹たまご、水谷醤油さんのたまごかけ専用醤油で召し上がっていただきます。」と書かれた文句には、興味出てくるでしょう?ということで、二八そばの盛りそば850円とたまごかけごはん300円也。
そばが出てくる前に、颯爽と出てくるご飯と卵。とっても良い卵のつや。いいねぇ♪
そば屋さんなのに、ついつい卵をメインに写真を撮ってしまう。
そばの香りをしっかり感じ、プツプツっとした歯ごたえにおいしさを感じる。シンプルに美味しいそばです。
もっと、有名になっても良いのに。と素直に思ってします。
満足できるランチとなりました。
今回の旅は、じっくり関わるというより、軽く触れるような一日だった。
軽く触れた程度とは言え、この地域に関わるコーディネーターの存在があるからこそ、この土地に住んでいないとわからない様なお話を伺うことができた。それは、この土地で暮らし、古くから住んでいる人との関わり合いがあるからこそ、その土地の人しか知らないお話を聞いていて、その話を伺うことができる。
ここに書いていない話を沢山伺うことができ(ちゃんと覚え切れてない…)、滋賀県米原市の山間部の暮らしや歴史を垣間見た時間であった。
最後は伊吹山を背に、またゆっくり探索できる時に来たいと思う程の奥深さを感じた、心もお腹も満足な日となりました。