ーしがレポ参加のきっかけ
いつか自然が豊かな地域に移住したい。けれども何から始めればいいんだろう…そんなモヤモヤが募る中で偶然見つけた「しがレポ」。実際に地方を訪れることで、自分がどんな移住生活を実現したいのか見つめるきっかけにするために、思い切って参加の一歩を踏み出すことにしました。
ー【1日目】企業訪問:安曇川電子工業株式会社
13時に近江高島駅に到着。初日は台風直撃で雨模様でしたが、山に囲まれた駅に降りた瞬間、しっとりとした森の匂いがしたのが忘れられません。コーディネーターの佐野さん達に近くの古民家や町並みを案内していただき、「安曇川電子工業株式会社」を訪れました。
製造業=難しい仕事のような先入観がありましたが、地元出身の若手の方やパートさんがたくさん働かれていてアットホームな雰囲気。案内してくださった岸田さんを中心に、研修や社内イベント、働きやすい環境作りに取り組まれているそうです。
そんな行動力あふれる岸田さん自身も、Uターンして働き始めて4年目とのこと。外での当たり前が地元には存在しないギャップに気づいてから、目の前の状況を改善するために日々奮闘しているそうです。
自分ができることを地域で活かすと、自分自身の成長にも繋がる。その言葉を聞き、自分も移住をしたら地域と活かし合う関係性を作りたいなと感じました。
ー【1日目】ゲストハウス「志我の里」に宿泊
その後、滋賀の地元スーパー「平和堂」で夜ご飯の買い出しをしてから、宿泊先の「志我の里」へ。
「志我の里」は、薪ストーブ屋さんの池田さんが、なんとセルフビルドで移築して建てたゲストハウス!薪ボイラーをはじめ自然エネルギーを活用する造りになっていて、鳥や虫の鳴き声を聞きながら自然の暮らしが味わえます。
そんな素敵な空間で、高島出身のマッサージ師さんによるタイ式マッサージ体験があると聞き、せっかくなのでお願いすることに。人生初の体験でしたが、体も心もリラックスできました。
そして佐野さんのアイデアで、地元の皆さんと一緒にたこ焼きパーティと滋賀名物を楽しみました。なぜ滋賀でたこパ?とツッコミが入りそうですが、たこ焼きを囲んで滋賀や移住のあれこれをお話しした時間はとても楽しかったです!
驚いたのは、地元の人同士も初対面で集まっているにも関わらず、すぐに打ち解けて和やかな雰囲気になったこと。移住先の地元に馴染めるんだろうか…という不安が、このときすっとほぐれた気がします。
何よりもこうした人のあたたかさが高島らしさなのかなと肌で体感したのでした。
【2日目】針江地域見学&生産者訪問:のんきぃふぁーむ
2日目は、澄んだ湧水で有名な針江地域にUターンし、地のものを活かした有機栽培のお米作りや加工を行う石津さんの元を訪れました。
家業を継いでから、お米作りだけでなくパッケージや商品撮影など、ブランディングも自ら手掛けていらっしゃいます。また営業面でも相手から声をかけてもらえるように行動するスタイルを大切にされており、石津さんの仕事への姿勢や芯の強さにとても惹かれました。
そしてUターン移住の経験から「0から1を作ることを楽しむ」といった移住アドバイスもいただきました。滋賀で暮らしながらも、定期的に東京に出て刺激を受けるのが楽しいそうで、地域に留まらず2拠点的に暮らす選択肢もあるんだ!と視野が広がりました。
ー【2日目】移住者訪問:wacca
次に訪れたのは、コワーキング&コミュニティスペース「wacca」。納屋をリノベーションした内装やインテリアも素敵で、近くにあったら毎日通いたくなるような居心地の良い空間でした。
「wacca」を立ち上げた田中さんは東京からの移住者で、ウェブ会社でリモート勤務をしながら、情報メディアの運営など幅広く活動されています。
アクティブな姿からは全く想像できませんが、移住したての2年間は不便な環境や育児の多忙により、こもりがちな日々を送っていたそうです。その一方で、移住を機に自分の興味があることに時間が使えるようになり、すこしずつ活動を広げて現在に至るのだとか。
収入とやりたいことを両立するリアルな移住体験談を聞くうちに、移住イメージが湧くようになりました。
ー【2日目】お昼ごはん:喫茶 古良慕
高島プランの最後は、お昼ご飯を兼ねて「喫茶 古良慕」へ。古材専門店を経営されているため、店内のあちこりに古民家の家具が使われており、どこか懐かしさを感じるお店でした。奥にはギャラリーも併設されており、時期によって色々な作家さんの作品も楽しめます。
かまどで炊いたおいしいごはんを味わいながらゆったりとした時間を過ごし、米原プランに参加するために高島を後にしました。本当にあっという間に2日間が過ぎてしまったので、次に訪れる際は長期滞在しながら高島の空気を感じたいです。
ー【2日目】大地の再生ワークショップ①~米原~
コーディネーターの藤田さん達が主催する「大地の再生ワークショップ」に参加するために、高島から伊吹山の山頂付近にある大持広場に向かいました。
「大地の再生ワークショップ」は、持続可能な暮らしを研究されている「暮らシフト研究所」さんと、大地の再生の第一人者・矢野智徳さんとともに、生き生きとした里山の環境作りを学ぶワークショップです。今回のワークショップ会場は、ビーガン&オーガニックのカフェレストランとして来年新しく生まれ変わるのだとか。
高島プラン後に向かったため、1日目は矢野さんの座学のみ参加しました。
中でも印象深かったのは、大地は呼吸しているという言葉。本来であれば、水と空気の循環が繰り返されますが、コンクリートなどの人の営みによって呼吸ができず、災害まで起こってしまうそうです。都会で暮らしていると地面を踏みしめる機会が少ないからか、その現状に疑問すら無かったことに気が付きました。ワークショップを通して少しでも力になれるように、明日の作業に参加しようと思います。
ー【3日目】大地の再生ワークショップ②
ワークショップ2日目は、広場横にある車道の水はけを改善するために、空気と水の導線を作りました。台風一過の気持ち良い青空のもと、参加者全員で5ステップの作業に取り組みました。
ひとつひとつは地道な作業ですが、慣れない農作業具を使うのも一苦労。
お昼休憩では、伊吹地域のおいしい手作りごはんをいただきました。ワークショップ中は毎食ビーガン料理を作っていただきましたが、どれも体が喜ぶおいしさで、来年のカフェオープンがとても楽しみです!
そして一日がかりで作業に取り組んだビフォーアフターがこちら。
メイン広場の水脈を引く仕上げ作業はまだ残っていますが、雨水どろどろの大地が真っ青な景色に一変!こうしてほとんどの工程を手作業で行うと、ちっぽけな人の力と自然の営みの偉大さを実感します。都会と地方どちらで暮らしていても、自然と共に生きていることを忘れずに過ごしたいと思いました。
ーさいごに
3日間、自分の想像を遥かに超えるほど濃く楽しい時間を過ごすなかで、ぼんやりとしていた移住暮らしが、ぐっと身近に描けるようになりました。コーディネーターのお二人をはじめ、地域で生き生きと暮らしている皆さんの姿を間近で見ると、移住に限らずやりたいことがどんどん浮かんできたので、これからも一歩ずつ踏み出してみようと思います。間違いなく人生のターニングポイントになったと言える経験になりました。
当日はあたたかく迎えてくださり、本当にありがとうございます。また必ず滋賀に行くので、お会いできるのを楽しみにしています!
P.S.高島のレポートには、カメラマンである佐野さん撮影の写真をたくさん使わせていただきました。改めて素敵なお写真ありがとうございます!